The Okinawa’s Life
沖縄ライフ
「生きがい」をはぐくむ時間と出会う【後編】自分の”生きがい”と向き合っていますか?
アイムホームの企業コンセプト「The Okinawa’s Life」には、わたしたちが沖縄の暮らしをより豊かにし沖縄で生きていく人々により大きな喜び、愉しみ、誇り、可能性などを提供する企業でありたいとの願いが込められています。その熱い想いとリンクする人へのインタビューを通じあらためて沖縄の魅力を見つめていきます。
3回シリーズでお届けするOISTの人類学者・ジャミラ・ロドリゲス博士と技術員・影山 舜さんへのインタビュー、最終回の今回は「生きがい」について考えてみます。
プロフィール

- ジャミラ・ロドリゲス博士 / Dr.Jamila Rodorigues
OISTのCOI-NEXTプログラムのフェローとして活動する人類学者。プロのダンサーとして活躍後、英国ローハンプトン大学で博士号を取得(文化人類学)。その後英国バーミンガム大学で非常勤講師を務め、2020年に来日。国際日本文化研究センターでは、沖縄文化研究や地域のウェルビーイングに関する研究に従事し、2021年よりOISTのプロジェクトに参画。日本学術振興会(JSPS)のフェローシップの一環として「生きがい」の概念を研究してきた。現在は気候変動と漁業者のウェルビーイングとの関係について研究を進めている。

- 影山 舜 さん / Shun Kageyama
OIST複雑性科学と進化ユニットでリサーチユニット技術員としてジャミラ博士のプロジェクトに参加している。東京大学卒業後、スウェーデン・ストックホルム大学ストックホルムレジリエンスセンター修士課程に留学。持続可能な開発のための社会生態レジリエンス課程に在籍し、サステナビリティ学を幅広く学ぶ。その後、同研究所でリサーチアシスタントとして従事した後、2025年1月より現職。

《聞き手》
●井上 滉
Ko Inoue
株式会社アイムホーム経営企画部。広報・マーケティング担当。WEBマーケティングの知識を活かし、アイムホームの情報発信および各種企画立案等に取り組んでいる。沖縄県浦添市出身。

沖縄科学技術大学院大学(Okinawa Institute of Science and Technology=OIST)
理工学分野の5年一貫制博士課程を置く学際的な大学院大学であり、国内外の優れた研究者が集う世界最高水準の研究拠点。世界の科学技術の発展に貢献するとともに、沖縄の技術移転と産業革新を牽引する知的クラスターの形成を目指し日本政府が設立した。学部を設けず、各教員の好奇心に基づく自由で革新的な研究テーマに基づいた、分野を越えた学際的な研究が行われる。公用語は英語。
所在地:沖縄県国頭郡恩納村字谷茶1919-1
「生きがい」をはぐくむ時間と出会う。
自分の生きがいと向き合っていますか?
井上 私どもの会社は子どもや学生さんといったこれからの未来を担う若者が、将来の生きがいを見つけたり出会ったりする過程を支援できたらいいと考えています。そこで、「生きがい」を研究テーマとしていらっしゃるジャミラさんにぜひお聞きしたいのですが、人は自分自身の生きがいとどうやって出会うとお考えですか?
ジャミラ そうね、私自身の生きがいを端的にいうと「人々」です。人々の「生きがい」に貢献するのが私の生きがいですね。私の目の前にいる人がどういうふうに感じていて、何を必要としていて、それに対して私がどうアプローチしていけるかを知りたいし、貢献していきたい。私にとって生きがいは「出会った」というより努力の中で見出し、はぐくんできたものと言えるでしょう。
井上 影山さんは生きがいを見出しましたか?
影山 う~ん、私の興味があるのは人と自然がどう関わっていけばいいのかというところなんですが、それが生きがいかと聞かれると難しいですね。自分の好きなことや、やりたいと思ったことを、なるべく言い訳せずにがんばって継続すれば、やがて環境が整った時に生きがいと呼べるものになるのかもしれません。
ジャミラ OISTでは優れたサイエンスを創出し、それを学術分野に還元するシステムが構築されています。創設から十数年が経ち、比較的新しい研究機関としては少しずつ次の目標に移る段階に来ています。社会にどう貢献していくかが今まで以上に問われるし、特に沖縄に対してどんな貢献できるのかということを重視していかないといけない。人類学者である私のようにソーシャルサイエンティスト(社会学者)と呼ばれる研究者は、社会と深く関わり、生活者と直接コミュニケーションしながらコントリビュート(貢献)していけます。その一方で、一人あるいは一分野ですべてをできるわけではないので、他の学術分野の研究者や海外の研究者、学生たちも重要な存在と考えています。おのおのの方法、手法、資金を共有し、協力し合って貢献への努力をし続けることが重要でしょう。
影山 大学を卒業した時、すぐに就職する人を羨ましく思ったり、大学院、特にスウェーデンに留学する人がほとんどいないのを不安に感じたり、海外で大学院留学したからといって未来が開けるわけでもないことに焦ったり、むしろ日本にいた方が就活はしやすかっただろうと嘆いたり、いろいろ考えました。けれど、働く場所がない、将来がなかなか見通せないという期間があったから、今、この場で働くことができています。自分が一番やりたいと思っていることを妥協せずに納得するまでやり続けることが大事なのかな。それが生きがいにつながるのかなと思います。
沖縄から世界へ。
進化し、深化し続けるOIST
井上 ジャミラさんのプロジェクトにおける「貢献」「還元」の具体的な取り組みは何ですか?
ジャミラ 私たちのプロジェクトで、次に一番進めたいのは学術論文の執筆です。それから、アンケートの結果と9月に行われた漁業関係者とのイベントで出てきた意見をまとめて、沖縄県に対して調査結果報告書を提出する予定です。研究成果が公開、共有されることにより、沖縄や世界の漁業者の幸福に寄与する社会的取り組みに活かしてもらうことを期待しています。
もうひとつ。私たちのプロジェクトは農業コミュニティにも関心を寄せています。漁師たちの気候変動ヘのアイデアと、農業従事者たちの気候変動へのアイデアをコンパイル(合わせて編集)したいと考えています。今、協力してくださっている漁師さんのなかには農業をやっている人もいて、そういう方々は沖縄という地域への意識がとても高いです。漁と農、それぞれのコミュニティでの意見や認識の相違点を比較して、まとめたいです。
影山 沖縄とOISTをもっと近づけていく取り組みも進んでいます。現在、読谷村の図書館の「ゆんラボ・未来館」に「OISTサイエンススタジオ」を開設しています。その空間や、OIST自体をもう少し解放したりすることで、沖縄の方々にOISTをもっと身近に感じていただけたらいいなと思っています。そのような取り組みが、将来的にOISTに沖縄出身者が増えていくことにつながるかもしれません。
井上 素晴らしい。沖縄の人間にとってOISTは実に誇らしい存在だと思います。私は県外で働いたこともあるのですが、外へ出たことで沖縄のよさに気づきました。戻って来てまずやったのは、旅行観光業。沖縄の魅力に気づいた人たちが実際に沖縄を訪れてお金を落として行ってくれるよう情報発信のメディアを立ち上げました。
軸となったのは「地元にどう貢献できるか」ということ。けれど情報を発信するだけでは間接的過ぎて、本当の社会貢献につながらないと強く感じまして。コロナ禍をきっかけに旅行観光業をやめ、県内のいろんな業界のいろんな企業をサポートして、そこで気づいたのが、県内企業の多くが意外にも地元に還元することをあまり考えていないことでした。
そんな時に、このアイムホームに出会いました。沖縄の人の「暮らし」に深く入り込み、地域の人々に「いい暮らし」というソリューションを提供できる点が魅力でした。2024年のリブランディングを機に、「沖縄の暮らし」により踏み込んで、豊かな暮らしを創造し、未来につなげていく企業として歩み出しています。それこそ私がやりたかった仕事であり、ライフワークと言えるものです。
だから今、こうやっておふたりのお話しをうかがいながら、こんなテーマで沖縄と関わっているんだとか、もしかしたら留学支援というところでまたご協力できるかもしれないとか、スポンサーとしてできることがあるかもしれないとか、さまざまな思いをめぐらせてワクワクしています。そういう歯車が動いていく瞬間みたいな時に、すごく生きがいを感じます。
ジャミラ それは本当に素晴らしい、あなたの生きがいね!
井上 海外には「生きがい」という言葉や概念はないんだそうですね。あらためて驚きました。今日、訪問させていただき、いろんなことがつながったように感じ、本当にうれしく思っています。お忙しいところ本当にありがとうございました。

▲漁師、漁業組合、県関係者向けに、

▲OISTサイエンススタジオ (OIST提供)
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